中島由夫

北欧見聞 – RAUSとの出会い


デンマークのコペンハーゲン中央駅からヘルシンゴー経由でフェリーに乗りスウェーデンのヘルシンボリへ。Anders中島さんが迎えに来てくれていました。此の地にある陶のRAUS工房を引継いだのは美術家の中島由夫さん。
Andersは一人息子で工房をマネージしながら本人も絵を描きます。工房が創業したのは1911年。スコーネ地方では焼き物に適した土が産出したため、ドイツからの技術を持ち帰った人々が窯業を発展させまし た。最盛期には10件もの大きな工場がありラウス工房でも50人もの職人が働き、毎月のように窯炊きしていたということです。しかし、時代の流れか ら工房の運営が愈々困難になったところ、それを5年前に引き継ぎ、今では年に一度石炭窯で焼いています。使う石炭は7トン!とても大きな窯で詰めれば三千は入るとのこと。窯入れ1週間、火入れ1週間、冷ましに1週間、そして窯出しに1週間とおよそ1ヶ月かけて制作。塩釉は窯の痛みが激しいためそろそろメンテナンスが必要だけど資金面が大変でどうなるか、とのこと。

カタチや丸みなどが日本の器と比べると洗練が足りないところもありますが、セッ器特有の素朴さが今の時代にない懐かしさを覚えます。ホガナス(Höganäs)の工場兼ショップに立ち寄りましたが、巨大な石炭窯はあるもののモニュメント的に見せているだけでガス窯で焼かれておりRAUSとのテイストの違いは歴然でした。土産物と作品ほどの差とも言えるでしょう。創業からそろそろ百年経つ訳ですから、工房にはアンティークの趣きを感じさせる場所が其所此所に存在しています。

RAUS陶器を日本で扱わないか、という誘いをいただき少量ながら輸入販売をしていますが、Andersそして由夫さんとの出会いこそが今後の楽しみです。背後にある歴史やストーリーそして人の生き方に直に接し合えることに感謝です。

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